ミイダスの UX研究

転職エージェントdodaを運営する、パーソルキャリアの新規事業。

自分の市場価値を測定できる、という触れ込みで広くユーザーを獲得し、そこから転職情報を案内していく流れ。

ユーザーに沢山の情報を入力してもらうことは当然、負荷が大きいが、そこをどう負担なく乗り越えるか?という点で、1つ振り切った解1つを見せてくれていると言える


評価は4.0。


まずは、診断をしてみようという触れ込み。登録しようとか、案件を探してみよう、とかではなく、ユーザー自身が知りたいことに寄り添ったハードルの低い文言が入り口。

一方で、転職活動への温度感の低いユーザーも多く獲得することになってしまう問題点もあろう。


会員登録は、診断後の案内


一問一等形式で、診断がはじまる。

性別→生年月日→第一言語→住まい

原則として、答えやすい質問から並んでいる。当然、途中まで答えたユーザーは、そこまでにかけた時間がもったいなくなるので、辞めづらい。

なんといっても特徴は、一問答えるごとに、上の診断結果が都度更新されていくこと。「この情報を答えたら、どう変わるんだろう?」という好奇心が情報を入力するストレスを楽しみに変えてくれる。(一方で下がる場合は、ストレスが大きい。どこまで工夫されているのだろうか?)いずれにせよ、よく設計されているのではないか。

画面上部のプロセス図は、とはいえ道のりはながいので、どこまで終わっているのか、あとなにが残っているのか、こういうユーザーに多くの現在地を把握するために重要でな要素である。


AirbnbのUX研究

Airbnbは2008年スタートの民泊メディア。サンフランシスコに本社がある。


4.7評価と高い。


ボタンの位置から、Facebook でのログインを推奨していることが窺える。日本のサービスではFacebookログイン推しは少なくなってきているで、日本のサービスは、あくまでアメリカ本社のサービスを翻訳しているだけの可能性が高い。


ログイン画面。「パスワードを忘れました」導線が右上にあるのは珍しい。目線の移動を考えたら、下にあるべきかと思うが。

「メールで受け取ったリンクでログインする」はよくわからない。招待導線だろうか?


ログイン後。本体で通知をオンにしていない場合は、通知をオンにしたほうがいい理由とセットで説明がくる。このあとダイアログで通知許可を求めてくるが、理由の説明があるので納得感はある。


トップページ。「何かお探しですか?〇〇さん」と声かけがあるのは地味だがサービスに人肌を感じさせる大事な仕掛けだ。

日本のアプリみたいに、1stビューに入る情報はそんなに多くなく、マージンを多くとって、ゆったりとした構成になっている。いまはTポイント推しなのか?

画面最上部は、メインの機能である検索導線。検索がしやすいように、プレースメントの文言は、「〇〇などエリアを入力」と、何をしたらいいかを案内。


民泊だけでなく、体験も推している。空き部屋がなくても、誰でもホストができるようになっている。旅をより充実したものにするために、よりローカルに踏み込む体験をしたほうがいいという、彼らが作ろうとする価値観がよく表れている。


中央のタブにある「旅行」はアプリ内で予約すると、その計画が入ってくる場所。コンテンツが空のときは検索導線を表示して、ユーザーが何をするのかを教えてあげている。


画面下部には、各地の楽しい体験の特集が。こういったコンテンツが充実することで、Airbnbを開くときが「どこかに行こうと決まったとき」だけではなく「次の連休なんか楽しい過ごし方ないかなー」くらいの気持ちでサービスを開くようになる。つまり、雑誌的な使われ方をしていくことに。これによってユーザーの利用頻度も向上し、エンゲージメントもあがっていく。


WEARのUX研究

※2019/06/11時点

ZOZOTOWN が2013年に開始したファッションSNS、WEAR。2019年3月時点で1300万ダウンロードと、ファッションが好きな人が利用するバーティカルなSNSとして、一定の成功を収めているといえるだろう。


タブの配置は、左から「ランキング」「見つける」「タイムライン」と、SNSとしては、眺める機能が前面にきている。暇なときがあればちゃんと開いてもらうように、利用頻度を大事にして設計していることがうかがえる。


逆に投稿する機能は、一番開かれにくい右側のタブのマイページと、割と奥まったところにあり、そこまで投稿自体を重視してないようにみえる。

誰もが投稿するというよりは、少数の人気ユーザーが投稿するのこで場のクオリティが担保されている印象。一般的なユーザーは雑誌的に開いて、眺めて利用するというのが太いユースケースなのであろう。


タイムラインはフォロー中のユーザーの投稿を表示する。


詳細画面においては、写真をワンタップすると商品タグが表示され、各商品の詳細を確認可能に。

当然、その先は本体ZOZOTOWNへの購入導線を配置している。

商品画面の最下部には似たコーディネートの写真が並び、この下は永遠にスクロールできるPintarest 仕様。ついつい自分の好きなコーデを眺めながら、アプリに長く滞在してしまうように設計されている。


お知らせタブのUIは、やや散らかっている。運営からのお知らせは左上のアイコンを押すとその中に入っている。重要なお知らせが含まれるので、お知らせタブについている赤い数字はここの数字にカウントされている。

だが、中身はあまり(ユーザーにとっては)大した情報でないことが多く、しかも1つ1つ開かないと赤い数字が消えることはない。これはウザい。。

メルペイの UX研究

メルカリが2019年2月にサービスインしたスマホ決済サービス。これまでメルカリの売り上げを利用するには、メルカリ内での買い物か、振込申請(1万円以下の場合は手数料210円がかかる)が必要であったが、これで細かい売り上げを支払いに回せる。

非接触決済の「iD」に対応しているため。ローソン、ファミマなどのコンビニやドラッグストアなどを初め、全国90万箇所の加盟店で利用できるようになっている。

まだサービスインしたてというところもあり、ユーザーが決済できるように設定するまでの工程は、本人認証やApplePay設定などがあり、なかなか面倒くさい。丁寧なチュートリアルで電子マネーの設定に慣れてないユーザーをどう導くかが難しいポイント。

※2019/06/09時点

※メルカリ本体のレビューはこちら


追加された「メルペイ」タブ。メルカリユーザーはここで気になる売り上げ金を確認できる。また機能を知らないユーザーも「メルペイ」および売り上げ金のとなりにある「ポイント」について何だろう?と意識するようになる。


「ポイント購入」をポチると、売上金から、ポイントが買えることがわかる。「てか、ポイントってなんだろ?」ユーザーもいるので、ちゃんと下部に説明への導線が用意されている。


ポイント購入後、お店での支払いは、ApplePayの設定が必要。


ここでは、ユーザーに何か難しそう。。と思われたら終わりなので、すぐに設定が終わる、カンタンであることをアピールしている。

ここでSMS認証が走る。なるほど、けっこう面倒くさい。四桁の番号を入力して完了する。

次にApplePayの設定。1つ1つユーザーを誘導するため、かなり気が使われている。

丁寧に1つ1つの工程を説明。

ダメ押しのモーダル。ここで多くのユーザーが離脱していたのだろうか。途中で追加された可能性もありそうなくらい、手厚いダメ押し。このくらいやらないといけない辺り、まだまだ日本で電子マネーが普及しているとは言いがたい。


ようやく設定完了。長い。。

支払いがiD(アイディ)であることも分かりづらいポイント。メルペイじゃないので。ここもユーザーにはしっかり伝える必要がある。


「iDと言ってください」ということは画面に戻ってからも念入りに言われる。誤解が多いところなのであろう。


細かいが大事な工夫が以下。売上金や、ポイントを含むメルペイタブの情報はユーザーにとって機微な情報だ。アプリを切り替えるときの画面では、しっかりマスキングされている。

Booking.comの UX研究

Booking.comは、オランダ発の宿泊予約サービスで、宿泊予約コンテンツを扱うメディアとして、世界一の利用実績を誇る。

筆者は、5回ほど予約利用したことがある。

随所にユーザーへの細かい気遣いが見られるアプリであり、快適に使ってもらうための工夫が散りばめられている。また、それを磨いていくための仕組みがサービス内に仕込まれている。

2019/06/09時点で、AppStoreにおいて、18万レビューに口コミ4.6を獲得。Appleのストアにおける「エディターのおすすめApp」。納得の品質である。


久しぶりにアプリを開いたときに目に入るのは「(ユーザー名)次はどこに行こう?」と話しかけてくるトップページ。こういうあたたかみのあるコミュニーケーションの積み重ねが、サービスへのロイヤリティをあげる。


ヘッダーが画面名ではなく「こんにちは!」と挨拶になっている。細かい点ではあるが、この気さくな心遣いが、旅のホテル予約をするユーザーの気分にフィットしたコミュニーケーションだ。


5回ほど予約したことがあるが、それによってGenius会員になったようだ。対象施設での割引が適用になる。

「プログラムの仕組み」を見てみると

レベル2だと対象施設で15%オフ適用、朝食も無料である。これは地味に嬉しい。こういったレベルアップで顧客のロイヤリティを高めていく手法はよくある。

geniusマークの表示は検索画面でも、よく目立つあしらいだ。


「もっと見る」タブ。アイコンで少し和らげてはいるが、ぱっと見、ごちゃついている。クーポンや、セールなど、期間限定でお得な情報が見れそう。


東京、上野駅周辺で検索してみる。検索中も、

「選択したエリアの宿泊施設を検索中」

といった文言でユーザーを待たせる理由をしっかり説明している細かい工夫。


セール中のホテルを目立たせる「セール中」の訴求。そして、サービスのコア機能である点数。「あと3部屋」など、ユーザーの背中を押す情報は赤字で強調されている。「売り切れ」をあえて表示しているのは品揃えを豊富に見せる観点からか。


詳細ページには、まずトップに写真、そして宿泊施設の特徴が続く。

写真は横にスライドしていくと複数の写真を見れる方式。

また、電波が悪いときには、写真コンテンツは遅れて出るようになっている。重たいデータを待ってからページ全体を表示するのではなく、テキスト情報は先出しで表示する工夫がうかがえる。


また、スクリーンショットをこの詳細画面で撮ると、シェア用の機能が立ち上がるようになっている。びっくりするユーザーもいるかとは思うが、自らスクリーンショットをとるユーザーが次やりたいことは、誰かにシェアすることである。これは嬉しい心遣いだ。日本だとLINEも加えて欲しいとこだが。。


コア機能のひとつである、口コミ機能。このユーザーレビューのクオリティは、サービス運営上キモになってくるものだ。以下のガイドラインを見てもわかる通り「投稿が許されるのは実際の宿泊者のみ」「24ヶ月で自動で消える」などルールがあり、かつわ人の目を介して審査に手間をかけていることがうかがえる。


口コミは、「参考になったか?」を他ユーザーによって評価される方式となっている。これによって口コミの掲載順もコントロールしているのであろう。


詳細画面の一番下で「不足している情報がないか」の確認が行われている。これによって、ちゃんとコンテンツが磨かれる仕組みを用意しているのは素晴らしい。

タップするとユーザー自身がフリーテキストで不足情報を記入できる項目が出現。「申し訳ございません」と謝っているのも、細かい話だが、シにム的なコミュニーケーションではなく、目の前のお客さんがいるような丁寧さがある。


新規ユーザー時のオンボーディングについても、確認してみる。

初期画面。まずは規約への同意を求められる。

続いて通知への同意。本来であれば、通知にどういう用途があるのか、ユーザーに通知してあげたいところである。ここは磨きどころ。


いきなり、予約を表示と言われても困りそう。ここは宿を検索でいいのではないか。


ログイン時、左から3番目のタブは「プロフィール」となっているが、ログイン前は「サインイン」となっており、押したときの画面が予想できるように、文言が出し分けられている。

クックパッドのUX研究

1998年3月にリリース。そこから約20年、SEOの戦いを経て、スマホシフトを超え、なお愛される老舗のメディアである。

※2019/06/02時点


アプリを開くと、最初にテーマを選ぶことからスタート。ニュースメディアや、Pinterest などと同様。興味あるトピックをユーザーに選定させ、毎日アプリを開いて欲しいという狙いであろう。


親切なチュートリアルからスタート。


いつも戻ってくる場所であるホームタブには、鮮度の高い情報を並べて、アプリを開くたびに、違った情報が手に入るように工夫している。

同時に、プレミアムサービスのキャンペーン情報も1stビューに入ってきている。


プレミアムサービスへの登録導線はサービス内の各所に配置されている。


タイムラインは最初はコンテンツがないが、ただ空にしておくのではなく、どういう機能の場所なのかイメージがつくようにしてある。


レシピを書く機能など、ログインが必要な機能に直面して初めてアカウント登録を要求するようになっている。

ダウンロード直後にアカウント登録を求めるサービスも多くあるが、クックパッドにおいては、まずはレシピを検索したいというユーザーが多い中で、いきなりアカウント登録を求めても納得感がない。しっかり工夫されている。


レシピは書くのは面倒くさいが、ここの簡単さはサービスのキモである。

タイトルを入力した段階で自動保存される。右上に保存導線もあるが、空いた時間に少しずつ書き足せるように工夫がみられる。


材料を入力する場合に、利用する材料がレコメンドされるのは嬉しい。

  • また、最初にレシピで入力した材料がすぐに入力めきるように、食材の単語を抜き出して、選ぶだけで入力が終わるように工夫されている。

  • 投稿画面の最下部には意見と要望を送れる場所がある。この入口がここにあるということは、このレシピ投稿を使いやすくするために、彼らがいかに心を砕いているかが窺いしれる。